岩屋三十三観音
岩屋三十三観音は、鳥羽久治が明和三丙戊(1766)年季春上浣の「岩屋物語(下)」によれば、『寶暦六甲子(1755)年信心のともがら人々にすすめて三十三所観世音の尊像石佛を安置し奉り』とある。
現在は、岩屋に十二体、鬼ノ城山に一体、犬墓山からビジターセンターまでに三体、残り十七体は穴観音にある。
穴観音の十七体は、穴観音境内の石碑によれば、大正十三(1924)年に岩屋から鬼ノ城山周辺から移転している。背負って穴観音まで下ろすという作業の困難さから思えば、当時の事情の大きさや宗教心の深さには、敬服するものである。
現在も三十三体全てが遺っており、人々の思いは、深く強く引き継がれ、今後も長く大切にされることを祈念する。
平成廿五年十月吉日
鬼ノ城山麓にて
西尾隆明
◯内の番号が観音菩薩像の番号です。位置は概略です。
なお、一部遊歩道を外れているものがあります。ご注意ください。